キリストの哀悼(1304-1306年39歳:ジョット・ディ・ボンドーネ)

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ルネサンスの曙を予告する「イタリア絵画の父」の集大成

思い思いの身振りと表情で激しく哀哭する聖人や天使たち。革新的な表現で、その後のイタリア絵画を方向づけたジョット。
美しい蒼色の空を背景にキリストの遺体を囲み、悲嘆に暮れる家族と弟子たち。量感のあるキリストの肉体は、絵画に現実感をもたらしたジョットならではの革新的な表現。前景に描かれた後姿の二人の女性は、鑑賞者の視線をキリストに導く役割を果たしている。また哀悼の情を各々の身振りで表現する登場人物は、画面にドラマ性を与えた。ジョットは、その卓抜な造形力と構成力で、神や聖人を人間と変わらぬ肉体・感情をもつ存在として描くことで、神の奇跡を人々が現実味をもって共感できるものとして表現したのである。
参考文献:雪山 行二(2013年)「西洋絵画の楽しみ方完全ガイド」池田書店

作者:ジョット・ディ・ボンドーネ
製作年:1304-1306年
種類:フレスコ
寸法:200×185cm
所蔵:スクロヴェーニ礼拝堂(パドヴァ)

tnj