ブランカッチ礼拝堂/楽園追放(1425-27年26歳:マサッチオ)

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アダムとイヴの肉体に託された罪を負う人間の深い悲しみ

明暗法で描かれた彫刻的な人体と、遠近感のある空間。現実世界を、絵画という二次元に収めたマザッチオの技法。
神の命に背いて禁断の木の実を食べたアダムとイヴ。ほぼ等身大に近い大きさで描かれた二人は、全身で後悔と悲しみを表しながら楽園を追われていく。マザッチョは画中の光と礼拝堂の自然光を巧みに利用した明暗の表現で、二人の量感ある肉体を描写。楽園を後にする彼らの足取りの重さや、アダムの慟哭、イヴの悲しみの深さを見事に表現した。さらに三次元空間を演出するためアダムとイヴを並列させ、その人体を正確な遠近法で描き出したのである。
参考文献:雪山 行二(2013年)「西洋絵画の楽しみ方完全ガイド」池田書店

作者:マサッチオ
製作年:1425-27年
種類:フレスコ
寸法:208×88cm
所蔵:カルミネ聖堂ブランカッチ礼拝堂

tnj