ギリシャ美術

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神々は人間と同じような姿をし、同じような感情を持っていると、古代ギリシャの人々は考えていました。

また古代ギリシアの哲学者達は、美術を「熟練した洞察力と直感を用いた美的な成り行き」として定義しています。絶対的な美の基本は「見るものをどれくらい感動させられるか」という点にありました。

そのような事から、ギリシアの芸術作品は完璧な美を備えている神々の姿をとった彫刻が多いのです。

幾何学様式の時代:BC10世紀~BC8世紀

ものの形をできるだけ単純な要素に捉え直し、規則的に組み合わせて器などの模様にしました。男性は逆三角形の胴体に鼻と思われる突起のついた卵形の頭で、腿やふくらはぎは棒のように描かれています。女性の長い髪は一連の線で描かれ、胸は腋の下のふくらみで表されています。

アルカイック時代:BC8世紀~BC480

紀元前8世紀からクセルクセス1世の侵略(紀元前480年)までの期間をアルカイック時代と呼びます。アルカイックとはギリシア語のアルケー arche「古い」、「太初の」という語に由来する言葉です。

青年像(クーロス):テネアのアポロン像

クーロスとは直立した青年の裸像のことです。神域に奉納された神像の場合もありますが,多くは墓の上に立てられた死者の墓像です。左足をわずかに前に出し,両腕をまっすぐに脇に垂らしてこぶしを握った両手をぴったりと腿につけ,正面を向いて直立しています。

少女像(コレー):オーセールの婦人像

コレーとは女性の着衣像を指します。衣服のひだが美しく表現されるようになりました。

アルカイックスマイル:アテネのアクロポリスで見つかったモスコフォロス

顔の感情表現を極力抑えながら口元だけは微笑みの形を伴っているのが特徴です。これは生命感と幸福感を演出するためのものと見られています。アルカイック時代では静止像に対していかに動きを与えるかが造形課題だったのです。そのため生命感の表現としてのアルカイック・スマイルが流行したと考えられます。

クラシック時代:BC480~BC323年

クラシック時代はギリシア美術の黄金時代で、クセルクセス1世の侵略(紀元前480年)からアレクサンドロス大王の死(紀元前323年)までの様式になります。絵画は神話や歴史を題材にした大画面作品が登場します。アテネはほかのポリスをまとめて外敵ペルシャを破り、政治的に最盛期を迎えております。

パルテノン神殿

有名なパルテノン神殿が建てられたギリシア時代の黄金期です。

コントラポスト:幼いディオニューソスを抱くヘルメス

コントラポストとは「対立、相反すること」を意味するイタリア語です。西洋の彫刻におけるコントラポストは、片方の脚に体重をかけ、もう一方の脚でバランスを取らせて体全体でS字を描く人体表現です。それは人体によって心理状態を表現するという最初の技法でした。そのため生命感を表現するために必要だったアルカイックスマイルは消えて行きます。まだ一定方向からのみ見られることを想定している彫刻です。

ヘレニズム:BC323年~31年

ヘレニズムとは「ヘラス(ギリシア)主義」の意味で、アレクサンドロス大王の死(紀元前323年)からアクティウムの海戦(紀元前31年)までの約300年間に、ギリシアからエジプト、シリア、メソポタミアなどの文化と融合したものを指します。それまでの理想美より、ありのままの人間性を重んじた、激しく感動的な動きにあふれています。その造形は身体をねじ曲げたり反り返らせることによって、動作の一瞬を捉えたものが多く、正面よりも多方面から見られることを意識した、空間的な広がりをもっています。

サモトラケのニケ

現存するギリシア文明の彫像の中で、女神ニケを題材にしたものとして貴重な彫像でもあります。その題材だけではなく、優美でダイナミックな姿や、翼を広げた女性という特徴的なモチーフなどが印象的で、各地にレプリカが作られ親しまれています。大理石製で高さは328cm。

ミロのヴィーナス

ミロのヴィーナスはギリシア神話における女神アプロディーテーの像と考えられている。高さは203cm。材質は大理石。発見時は碑文が刻まれた台座があったが、ルーヴル美術館に持ち込まれた際に紛失しているます。

ラオコーン

ギリシア神話のトロイアの神官ラオコーンとその2人の息子が海蛇に巻き付かれている情景を彫刻にした作品です。

tnj