Category: ホドラー

フェルディナント・ホドラー(1853年-1918年:享年65歳)
 
スイスの画家。グスタフ・クリムトと並んで世紀末芸術の巨匠。同年代の芸術家が皆パリに出て活躍したのに対し、ホドラーは画家として認められてからは、最後までスイスで活躍し、孤高の画家と言われた。初期の作品はコローやクールベの影響がみられ、後期の作品では印象派に特徴的な色調の幅を継承している。ホドラーが得意とした風景画、寓意画、物語画は自然主義的な一面と、象徴主義的な特徴をあわせもっている。様式上の特徴としては画面の構築的性格、相称性、平行性とリズム感が挙げられる。この画家の作品に特徴的な、明確な輪郭線を持つ形態的構造は、神話的で感傷的な印象を鑑賞者に与える効果をあげている。19世紀末の時代を象徴した画家の一人で、苦難に満ちた人生を生きたホドラーの作品には「死」や「夜」をテーマとしたものが多い。 その一方で、女性を描いた肖像画やスイスの風景画などの写実的な作品も多数残している。また、意外に知られていないことだが、ホドラーはスイスの紙幣のデザインも担当している。1911年に最初に発行され、1958年までの長い期間流通していた、第2次銀行券の中の50フラン紙幣と100フラン紙幣の表裏を描いており、50フラン紙幣の裏面には、右図と同様の「木を伐る人」の絵が描かれていた。どちらの紙幣も表は女性の肖像であった。