Category: ピエトロ・ロレンツェッティ

ピエトロ・ロレンツェッティ(1280年頃-1348年:享年68歳頃)イタリア
 
ピエトロ・ロレンツェッティはシエナで生まれ、その地で没した。ジョヴァンニ・ピサーノ、ジョットの影響を受け、アッシジでは、シモーネ・マルティーニと一緒に働いた。弟のアンブロージョ・ロレンツェッティとともに、シエナ派に自然主義を紹介した。3次元的かつ空間的な配列を試みた兄弟の作品は、ルネサンス美術の先駆けとも言える。ピエトロの宗教画の多くはシエナ、アレッツォ、アッシジの教会にある。彼の最後の作品の一つ『聖母の誕生』(1342年)は現在シエナ大聖堂付属美術館にある。彼の最高傑作は何といってもサン・フランチェスコ・ディ・アッシジ教会下堂のテンペラ・フレスコの装飾であろう。広いパネルにキリストの磔、降架、埋葬が連作として描かれているが、メインの人物が感情豊かに描かれているだけでなく、群衆もまた幾何学的な連関によってそれぞれの感情を持っている。それに先立つ多くの遠近図法では群衆は類像的であるのだが、そうではなく、まるで個々の感情を持つ人物たちが何の関係もなく糊でくっついたに見える。他の絵も含めて、そこにある絵からは、フィレンツェのサンタ・クローチェ教会のバルディ礼拝堂およびペルッツィ礼拝堂、パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂にあるジョットのフレスコ画の物語体の影響を見ることができる。