Category: ロベルト・カンピン

ロベルト・カンピン(1375年-1444年:享年69歳)
 
初期フランドル派最初の偉大なる画家であり、フレマールに存在していた作品群がカンピンの描いたものではないかと想定されている事から「フレマールの画家」という異名を持ちます。しかし間違いなくカンピンの作品であるといえるものは現在一つもありません。当時の装飾写本画家たちの強い影響は見られるが、カンピンの絵画はそれまでにない徹底した写実性が見られる。それまでのテンペラではなく、新技術の油絵具を使いこなし、美しい色彩を表現した最初の画家の一人だった。油彩という新しい技法で明暗を描き出すことで、絵画に立体感や複雑な遠近感などを構成することに成功したのである。また、ヤン・ファン・エイクの作品に見られるとされている複雑な寓意象徴主義が、カンピンの作品にも存在するのかどうかについては依然として議論の対象となっている。美術史家たちは「北方ルネサンス」の起源がどこなのかを、イタリアルネサンスのそれよりもはるかにわずかな手がかりをもとに熱心に研究してきた。そして長い間ヤン・ファン・エイクこそが、装飾写本絵画をパネル絵画へと革新した最初の画家であると信じられてきた。しかし19世紀の終わりごろには、ファン・エイクも当時活躍していた画家の一人であり、同じようなスタイルで描かれたファン・エイク以外の作品が他にも存在することが明らかになってきた。有名な作品に1428年の日付が入った『メロードの祭壇画』があげられる。現在この三連祭壇画はメトロポリタン美術館別館のクロイスターズ所蔵で、細部まで注意を払って写実的に描かれている。フレマール大修道院(かつてフレマールに設立されていたといわれたが、このような修道院はフレマールにはなかった)由来と見られる、現在はフランクフルト・アム・マインにある、『メロードの祭壇画』とよく似た作風のパネル絵が他にも3枚存在している。これらのパネル絵の作者は同一人物であるとされ、その作者が「フレマールの画家」と呼ばれるようになったが、当時その画家が誰であるのかを特定することは出来なかった。